土地を売却すると翌年の住民税が上がる?!知っておくと役立つ税金の豆知識


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土地を売った翌年には、いろいろな税金が発生します。例えば、国に納める所得税は売買したときの譲渡所得の金額に応じて発生する税金です。このほかにも、土地を売った場合は住民税がかかります。住民税は翌年度に各自治体に納める税金であり、所得税とは利率や納付の仕方が少し異なります。

ここでは、土地を売ったときにぜひ知っておきたい住民税の豆知識についてご紹介しましょう。

土地の売買で発生する住民税は譲渡所得の金額がベースになる

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住民税は、前年度の所得に応じて自治体に納付する税金です。給与所得者の場合は、前年にもらった給与の金額をもとに住民税が計算され、徴収される仕組みになっていますよね。このような給与にかかる住民税とは別に計算されるのが、土地の売却益にかかる住民税です。

土地を売った場合には譲渡所得と呼ばれる所得が発生しますが、住民税は譲渡所得の金額をベースにして算出されます。譲渡所得の場合、給与所得や雑所得といったほかの所得とは別に税金を計算する分離課税方式が適用されるのが特徴です。

例えば、給与所得者が前年度に土地を売ったときには、給与にかかる住民税に譲渡所得の分の住民税が加算されます。したがって、翌年の住民税は、加算された分だけ上がります。このような税金の仕組みを知っていないと、翌年に送付された住民税の納付書などを見て慌てることにもなりかねないので注意が必要です。

『土地売却の収入には分離課税が適用される!土地を売ったときの税金の計算方法』

住民税の税率は土地を所有していた期間で変わってくる

譲渡所得にかかる住民税は、その土地をどのくらい所有していたかによって変わります。例えば、土地を所有していた期間が5年以上のときには、長期譲渡所得の扱いになります。このような長期譲渡所得の住民税の税率は、5パーセントです。

一方、所有していた期間が5年以下の場合は、短期譲渡所得に該当します。短期譲渡所得の住民税の税率は9パーセントとなっていますので、長期譲渡所得よりも4パーセントほど税率が上がるわけです。長期譲渡所得と短期譲渡所得の税率の違いは、所得税にも見られます。

所得税の場合は、長期譲渡所得が15パーセント、短期譲渡所得が30パーセントです。住民税、所得税のいずれも土地を所有していた期間が短いと、税率が上がる傾向があります。購入して2、3年しか経過していない土地を売った場合などは、短期譲渡所得に該当するため、合計39パーセントの税率で税金が発生します。

ちなみに、相続によって土地を取得したときには被相続人が所有していた期間も合算して計算します。例えば、1年前に相続した土地を売った場合でも、被相続人が10年以上所有していたときには長期譲渡所得です。この場合は、住民税と所得税を合わせて20パーセントの税率が適用されます。

住民税の納付方法は普通徴収と特別徴収の2つ

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譲渡所得にかかる住民税も、徴収の方法は一般の住民税と同じです。ちなみに、住民税の徴収方法は普通徴収か特別徴収のいずれかです。普通徴収の場合は、翌年度に自治体から自宅に郵送される納付書を使用して税金を納めます。

この普通徴収は、1年間の住民税を数回にわけて納付することも可能です。また、特別徴収は給与から天引きという形で住民税を納付する方法です。この方法が適用されるのは、主に給与所得者です。給与をもらっていない自営業者などは、普通徴収のスタイルで住民税を納めるのが一般的と言えます。

住民税は所得税よりも納付の時期が遅れますので、本人が徴収されることを忘れているケースも多いです。「前年度よりも住民税が上がっているが理由がわからない」というときは、前の年に自分や世帯主が土地を処分したことがなかったかどうかを思い出してみましょう。

土地を売ったにもかかわらず住民税が前年度とまったく変わらないときには、申告した譲渡所得の金額などに間違いがないかを確認しておく必要があります。

国民健康保険の人は保険税も上がる可能性が高い

住民税は国民健康保険税とも連動しているため、国民健康保険に加入している人が土地を売ると翌年の保険税も同時に上がるケースが大半です。国民健康保険税は、運営する自治体によって税率に差があることが話題になっていますよね。

したがって、どのくらいの利率で税金が上がるかはケースバイケースです。住民税はあらかじめ課税される利率がわかっていますが、国民健康保険税は自治体に問い合わせないと正確な金額がわからないのが難しいところです。

不動産などを多く所有している人は、資産にかかる分もあるため、保険税の金額が高額になることが予想されます。土地の譲渡所得には、特別控除などが適用されるケースもあります。このような控除が適用されると、売却益が高額であっても実質的な譲渡所得は少なくなります。

場合によっては所得税や住民税なども発生しなくなりますが、国民健康保険税については控除前の金額で計算されるケースが少なくありません。したがって、所得税や住民税がかからなくても、国民健康保険税だけは高額になる可能性があります。

国民健康保険に加入している人は、念のために翌年の税額についても調べておいたほうがよいでしょう。

『土地を売却するときは隣の人が狙い目!売買を有利に進めるコツは?』

譲渡所得にかかる住民税を減らす方法は?

譲渡所得の住民税は税率があらかじめ決まっているため、計算した金額から減らすことは難しいです。ただ、計算のベースになる譲渡所得が減れば、このような住民税の金額も少なくなります。譲渡所得は、売買代金から土地の取得費や売買にかかった譲渡費用などを引いて算出します。

したがって、取得費や譲渡費用が多く発生したときには譲渡所得が少なくなるため、住民税の金額も多少減るかもしれませんね。

取得費には、土地の購入代金はもちろんですが、条件に該当すれば測量費なども含めてよいことになっています。

また、譲渡費用には、不動産業者に支払った仲介手数料や建物の取り壊し費用なども含まれます。該当する特別控除がないかどうかも、調べておいたほうがよいでしょう。計算する段階で手を抜かなければ、譲渡所得の金額が減って住民税がいくぶん少なくなる可能性もあります。

国民健康保険に加入している人は、譲渡所得が減ることで保険税も下がるケースが多いため、少し面倒に思えても取得費や譲渡費用の計算はしっかりと行っておくのがベストです。土地を売った場合は、確定申告の手続きも少し複雑になることがあります。

税務署の相談窓口や無料の税理士相談などを利用して、早めに準備をしておけば、落ち着いて申告手続きが進められるでしょう。領収書などをなくさないようにするのも、スムーズに税金の計算をするためのポイントです。