土地を売却したときは仕入税額控除を確認し対策を立てよう


土地25

会社を経営していれば、行なっている事業の売上があるでしょう。売上があれば、消費税についても理解しなければいけません。会社などを経営するには、売上の管理を詳細に記録する必要があります。例えば土地を売却した場合、消費税の扱いはどうすればいいのでしょうか。

仕入税額控除というキーワードを使って分かりやすく解説します。

売上があれば消費税についても理解が必要になる

日本国内の課税には、徴収方法の違いによって2つの種類があります。1つは直接税と呼ばれるもので、納税者自らが課税額を税務署に納めます。所得税などが該当します。もう1つが間接税で、こちらの場合には一度売上のあった会社などが購入者に代わって消費税分を受け取り、納税者としてまとめて納税するのが特徴です。

具体的には消費税が当てはまります。税金の徴収方法に違いがあるのは、それぞれにメリットがあるからです。ある小売店で10000円の商品が売れたとき、例えば消費税の税率が10パーセントとなら、商品の代金とは別に消費税分として1000円を別途受け取ります。

つまり、この小売店にすれば、何人かから預かった消費税分が毎日プールされていることになります。間接税である消費税のメリットは、税の公平な負担で、購入金額に応じて消費税を納めることにあります。また、購入したときに小売店に支払うので、購入者が納税を忘れたり、購入金額を偽ったりできません。

もしも売るだけでなく購入したときは

会社などの事業者は、いつも商品を販売しているだけとは限りません。場合によっては、事業に必要となる備品や原材料などを他の会社から購入することもあるでしょう。商品やサービスなどを提供すれば、その対価を受け取ります。

同時に消費税も預かることになるのが基本です。しかし、会社の場合には、商品を売るときもあれば、商品を購入するときもあるはずです。つまり、最終的に消費税分として税務署に納めるのは、預かった金額から他社へ支払った金額を差し引いた残金になります。

例えば、ある小売店が10万円の商品を販売したとき、税率10パーセントなら1万円の消費税を別途に預かっています。一方で、3万円分の商品を他社から購入していれば、3000円分の消費税を支払うことになります。

つまり、最終的には1万円から3000円を引いた7000円を税務署に納めればいい計算です。

原則には必ず例外もある

実は商品を売っても消費税を支払わないケースがあります。それが、土地の売却です。注意しなければいけないのは、土地についてであって、建物は該当しません。つまり、建物を売ったときには、その金額に相当する消費税を預かることになります。

土地の場合、売却だけでなく、貸付などを行った場合も消費税の徴収は不要です。例えば、ある会社が10万円分の商品を売り同時に5万円の土地を売却したときでも、販売した商品の売上10万円に対する消費税1万円だけを預かることになります。

実際に土地を売却するときには

実際の売却では、先の例にあげるように土地を売ります買いますとスムーズに行えるとは限りません。場合によっては、広告に出したり不動産業者に依頼したりと、経費が必要になることもあるでしょう。そこで、土地の売却をする際には、仕入税額控除という税目を確認しなければいけません。

この仕入税額控除を判断するには、課税売上割合と呼ばれる言葉が大切になります。

課税売上割合とは、消費税の対象となった売上分と土地の売却した金額の合計に対する消費税の対象となった金額の割合をいいます。仮に95パーセントを超える場合であれば、売却に関して必要となった経費の金額を消費税の対象にできます。

例えば、ある会社にはトータルで25万円の売上があり、その中の5万円が土地の売却だったケースでは、課税売上割合は80パーセントになります。この場合、95パーセント未満となるので、売却に要した経費の全額を消費税の対象にすることができません。

認められるのは、課税売上割合の80パーセントとなり、仮に経費が1万円だったときは、8000円が消費税の対象となります。さらに、消費税の課税率が10パーセントならば、800円が消費税分です。

『土地を売却するときは隣の人が狙い目!売買を有利に進めるコツは?』

課税売上割合に準ずる割合という救済策がある

課税売上割合が95パーセントを超える事業者というのは、売却した土地の収益は大きくなく、大半が消費税の対象となる売上という場合です。しかし、何らかの理由で土地を売却したようなときに、会社の売上が少ないからというだけで経費の大半が消費税分として認めてくれないというのは納得できない話でしょう。

そこで、「課税売上割合に準ずる割合の適用」という救済策があり、2つの条件のいずれかに該当していれば、税務署長に承認されることで経費の全額を消費税分として認められます。条件となるのは、臨時的な事由が発生した場合や、消費税の掛かる事業と掛からない事業の両方を営んでいる場合です。

『土地を売却すると翌年の住民税が上がる?!知っておくと役立つ税金の豆知識』

消費税課税売上割合に準ずる割合の適用承認申請書の提出方法

「消費税課税売上割合に準ずる割合の適用承認申請書」を記載する際、チェックしたいポイントが7項目あります。1つ目のポイントは「採用しようとする計算方法」の項目です。臨時的な事由があった場合には、土地売却年の前年以前の過去3年間の通算課税売上割合または土地売却年の前年の課税売上割合の低い方を使って計算します。

また、消費税の掛かる事業と掛からない事業の両方を営んでいる場合には、従業員ごとの割合や、床面積割合を用いて、事業内容の詳細な説明を記載します。2番目のポイントは、「その計算方法が合理的である理由」の項目です。

申請書の中でもっとも重要な項目で、税務署長に対して申請を行う客観的な根拠を説明します。必要であれば、「別紙参照」とだけ申請書の項目に書き、別の紙を使って分かりやすい文章で書きましょう。特に売却が行われた原因は「たまたま」という表現を使うのもコツです。

3つ目のポイントは、「本来の課税売上割合」の項目です。ここには、申請を行う直前の課税期間の課税売上割合を記載します。4つ目のポイントは、「左記の割合の算出期間」ですが、3つ目に準ずれば難しくありません。

5つ目の項目は、「参考事項」で、2番目の項目の補足に使います。別紙を利用するのであれば、特に記載する必要はないでしょう。6つ目が「税務署長の承認欄」です。ここには、税務署長の印が押されることになります。

特に申請書の提出は、本来の課税期間が終わる前までに承認を受ける必要があります。承認が決定するまで、ひと月以上かかることもあるので、期限の3カ月くらい前までに行動を開始しましょう。最後の7つ目は、申請書が2部提出になっていることです。

1部だけの提出では、改めて用意する必要があるので注意が必要です。